|
■なぜ環境試験が必要なのか
HDDは大容量化を進めていくにつれ、ディスクの枚数を増やすことができないためディスク1枚辺りの記録密度を上げてきました。しかし、高密度化するにつれ書き込む場所が小さくなるため、磁気ヘッドにはより高精度な位置決め性能が求められます。また、高密度化により記録信号は微弱になってしまいますのでディスクとヘッドの間隔もより狭くあることが求められ、ヘッドの浮上量を下げる必要がでてきました。
ヘッドとディスクの間隔が狭くなったため、ヘッドとディスクが接触してしまう可能性が高く、信頼性に影響を与える可能性があります。また、ヘッドの浮上量が小さくなるとHDD内のダストやガスといったコンタミネーションに非常に敏感になります。その他、ちょっとした振動や急激な温度変化、衝撃でもヘッドとディスクは衝突してしまう可能性があります。
こういったリスクを最小限に抑えるため、各種環境試験をご提案させていただきます。
■各種環境試験
・温湿度耐久性マージン試験
HDD仕様外の温湿度環境で1ヶ月程度HDDを動作させ、Error,性能低下の有無を確認し、更にテアダウン、分析調査を行い、HDDの信頼性に影響を与えるような事象が発生していないかを確認し、最終的な耐久性マージンレベルをご提供いたします。
・温度サイクルマージン試験
磁化特性は温度に依存します。また、HDDはRead/Write電流を環境温度によって変化させていますので環境温度変化に注意が必要です。HDD仕様外の温度サイクル環境でRead/Writeの複合動作を実施し、Error有無、性能変動の確認をすることで、低温・高温に対する温度マージンをご提供いたします。
|
恒温槽 |
・振動、衝撃マージン試験
振動マージン試験はHDD仕様外の振動で加振したときのHDDのRead/Write性能の低下を確認し、衝撃マージン試験はHDD仕様外の衝撃を与えることで、振動・衝撃のマージンレベルをご提供いたします。
|
|
振動試験機 |
衝撃試験機 |
・減圧、電圧マージン試験
減圧マージン試験では高度環境での動作を想定した試験を、電圧マージン試験ではHDDに印加する電圧を振り、起動、Read/Writeを確認します。
|
|
減圧チャンバー |
オープンチャンバー |
|